皆さんは魚を手に入れたもののどうやって保存していいか分からず困ったことはないだろうか?おそらくその場合多くの人が捌いた上で冷凍庫にぶちこんで保存することになったと思う。もちろん冷凍することは間違っておらず、確実に魚を保存することができる。しかし、冷凍することによって魚の味や風味が大幅に劣化することも事実だ。そこでこの記事ではあくまで冷蔵で魚を長期保存する方法について述べようと思う。魚種によっては1週間冷蔵庫に入れておいても刺身で食べることができ、また長期寝かせることによって熟成され味に深みを出すこともできるので魚好き、料理好きな方は是非マスターしてほしい。
魚を長期保存するにあたっては以下の手順で魚をさばいていく。と言っても何か特別なことをするわけでもなく、途中までは至って普通通りさばいてもらって構わない。では何をするかと言うと・・・
1.表面のうろこを除去しぬめりを取る
2.エラと内蔵を除去する
3.血合いを除去する
本来であればここから三枚おろしに入るのだが、長期保存する際はここでストップするのがポイント。
「三枚おろしや切り身にしといた方が調理する時楽じゃん!」
と思った方もいるだろうが、ここではそんなことはご法度だ。
簡単に説明すると実は魚の筋肉中、つまり身の中は無菌状態のため腐敗の原因となる細菌類が存在しない。身の部分が空気に触れることにより空気中の細菌類が付着しそこから初めて腐敗が始まるのだ。なので表面を魚の厚い皮で覆われた※セミドレスの状態だと細菌類は身に付着しないため腐敗が起こらず長期保存が可能となるわけだ。ただし内蔵とエラは別物。魚が生きているときエラは常に無数の細菌類が存在する海水にさらされているし、胃袋の中には消化した餌など腐敗の原因となるものがたんまりと入っている。魚の腐敗は内蔵から始まるといっても過言ではないので、まっさきに内蔵から除去するのが魚の保存の基本となるのだ。
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※セミドレス 魚の腹部を切り開きエラと内蔵を除去した状態のもの。
さて、次に何をするかというと内蔵とエラを除去した魚の表面の水分をキッチンペーパーや調理用タオルでキレイにふき取る。細菌類は水分を好むのでここでしっかりとふき取っておこう。
そしてふき取った魚体を吸水紙やキチンペーパーで包み、最後にラップでぐるぐる巻きにして完成だ。
ここでのポイントは直接魚をラップで包むのではなく、まずはキッチンペーパーのような吸水性の高い紙で包むということ。保存中はどうしても魚体から水分が抜け出てしまうので、ラップだけだと魚体が水浸しになってしまい保存に支障がでてしまうのだ。なお長期保存する際はときおり紙の交換などを行うといいだろう。
タイやスズキ、ヒラメといった白身魚だと元の魚の鮮度が良ければ1週間近く保存が可能となる。 その際はうまく保存されていれば熟成によりより深い味わいになっているだろう。 ただし、白身魚の中でも関西地方で好まれるアマダイだけは劣化が早いので要注意。詳しい話は割愛させていただくが、アマダイは筋肉中のたんぱく質分解酵素の活性が高いので細菌からの腐敗を防ぐ今回の保存方法では劣化を防ぎようがないのだ。
なお冷蔵保存の温度は低ければ低いほどいい。0℃を下回ると凍ってしまうため、凍結する一歩手前の0℃よりほんのちょっぴり高い温度帯がベストだ。家庭用でも冷蔵庫の種類によっては0~1℃付近を維持できる超低温ルームがあったりするので魚好きな人はそういった機種の冷蔵庫を買うのもいいかもしれない。
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